4.口外禁止令と情報操作
フィラデルフィア計画においての具体的な記録は、公には残されていません。これは、実験を中断した際にアメリカ軍部により厳粛な「口外禁止命令」が出されたためです。
今回ご紹介したような内容は、1950年代から、カルロス・マイケル・アロンデなる人物により少しずつ暴露され始めたものですが、この謎の人物の正体はわかっていません。
アメリカ軍部は、この一件について、幾つかの証言をもって否定しています。
- 「エルドリッチ号がフィラデルフィアに寄港したことは一度もない」
- 「当時のフィラデルフィアで行われていたのは磁場を発生させる実験ではなく、電気地雷の磁力から艦体を守るための実験だった」
現代では、フィラデルフィア計画は都市伝説だと見る向きが強いのが現状です。
5.まとめ
フィラデルフィア計画は、新兵器開発に向けた軍艦の透明化計画(レインボー・プロジェクト)の一環として行われた大規模な実験でした。
この実験に使用された軍艦エルドリッチ号は、消失どころか瞬間移動まで成し遂げてしまうことになるのですが、多数の犠牲者も出しています。
フィラデルフィア計画は、その内容のインパクトの強さゆえか信じる者が少なく、ミステリー好きのあいだで注目を浴びるだけの都市伝説と化しているのが現状でしょう。
しかし、もしも本当にフィクションであるならば、誰がどのような目的で、これほどまでに壮大な物語を語る必要があったのでしょうか。
エルドリッチ号そのものは実在していた軍艦であること、そして、フィラデルフィアの軍港で内容はどうあれ「磁力・電力に関する実験」が行われていたということを思えば、事実の裏で何らかの情報操作が行われていた可能性は否定できません。
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