- 「死海文書」の概要と背景
- 死海文書の内容と特徴
- 死海文書の解読の謎
- 【計画された世界】
- まとめ
この記事の目次
「死海文書」の概要と背景
概要
死海文書は、紀元前2世紀から紀元前1世紀にかけての時代に書かれたユダヤ教の文書群であり、イスラエルの死海に近い地域で発見されました。これらの文書は1947年にベドウィンの羊飼いによって偶然に発見され、その後の発掘調査によって多くの文書が出土。死海文書は、主にヘブライ語で書かれており、約900の文書が保存されています。これらの文書には、旧約聖書の一部や、ユダヤ教の聖典の注釈、宗教的なルールや規定、コミュニティの組織や信仰に関する文書などが含まれているようです。
背景
死海文書の発見により、ユダヤ教の文化や宗教に関する新たな知識が提供され、旧約聖書の研究にも大きな影響が出ました。また、これらの文書には、当時のユダヤ教の宗教的な風景や社会的な背景を知る上で貴重な情報が含まれています。この重要性から、世界的な注目を浴び、ユダヤ教や古代の中東の歴史や文化に関する研究が深化し、新たな発見や解釈がなされるなど、今もなお研究が進んでいるのです。
死海文書の内容と特徴
聖典の注釈
死海文書には、旧約聖書の一部や、ユダヤ教の聖典の注釈が含まれているようです。これらの注釈には、聖書の解釈や宗教的な教えに関する記述があり、死海文書の著者たちの信仰や思想についての洞察を提供します。
宗教的なルールや規定
死海文書には、コミュニティのメンバーに対する宗教的なルールや規定が。例えば、食事や祈りの方法、儀式の実施方法、禁欲や清浄さの重要性などが含まれています。
コミュニティの組織や信仰に関する文書
死海文書には、当時のユダヤ教のコミュニティの組織や信仰に関する文書が含まれているようです。これらの文書には、コミュニティの指導者や組織の構成、信仰の実践方法などが記されており、当時のユダヤ教の社会的な様相を知る上で重要な情報を提供してくれています。
予言や未来の出来事に関する記述
死海文書には、予言や未来の出来事に関する記述が。これらの記述には、神の啓示によって示されたとされる予言や、終末論に関する記述が含まれており、死海文書の著者たちの信仰や世界観を垣間見ることができるのです。
死海文書の解読の謎
発見と初期の解読
死海文書は、1947年にイスラエルのヨルダン川西岸の洞窟で偶然に発見されました。その後、多くの文書が発見され、初期の解読が試みられましたが、文字が古代ヘブライ語やアラム語で書かれており、解読が困難であることが判明。
戦いの書の解読
1950年代になると、アメリカの学者であるローランド・デュプローとジョン・C・ローリンズによって、死海文書の一部が解読されました。特に「戦いの書」と呼ばれる文書の解読が進み、死海文書の内容や背後にある信仰や思想が明らかに。「戦いの書」は主に以下の予言めいたものが記されていたようです。
メシア予言
メシア(救世主)の出現を予言し、新しいエルサレムの再興や律法に従った組織を予期しているとされています。
”メシアの中から、新しいエルサレムを建てる者が出現するであろう。それは真のテントの宮殿を持ち、イスラエルの選民を集め、エルサレムを再興し、永遠の神の律法に従って組織されるであろう”
エスカトロジー予言
これによれば、終末時における神の救いや悪の滅亡を予言しているとされています。
”神の民は、敵を倒すために武器を手にするであろう。そして、主の救いによって全ての悪が滅び去り、神の新しい世界が訪れるであろう”
選民思想に関する予言
これによれば、神の選民が他の民族を征服し、支配することを予言しているとされています。
”神の選民は、他の民族を征服し、神の律法に従って支配するであろう”
社会的・政治的予言
これによれば、新しい指導者が出現し、真の教えに基づいて民衆を統治することを予言しているようです。
”新しい指導者が現れ、真の教えに基づいて民衆を統治するであろう”
戦いの書に隠された「光の子と闇の子の戦い」
死海文書の中でも特に有名な「戦いの書」。この中には「光の子と闇の子の戦い」についての予言が記されています。光の子は善の象徴とされ、闇の子は悪の象徴とされており、両者の戦いが終末に向けて進行するようです。戦いの結果、最終的な勝者が現れるとされており、善と悪の対立や終末論的なメッセージが含まれていると解釈されています。
予言に関する諸説
一部の研究者は、光の子と闇の子の戦いを実際の歴史的な出来事として解釈し、政治的・社会的な対立や戦いを予言しているようです。また、最終的な審判や新しい世界の創造についての予言も、宗教的な観点から解釈されることがあります。しかし、予言の具体的な意味や解釈については定説がなく、議論が分かれることも。
【計画された世界】
今のこの世の中が「計画された世界」としてささやかれているのは、「死海文書」が世界的にも有名なロックフェラー財団が所有・保管しているとされており、エルサレムにも彼らの博物館が存在するからです。また死海文書に書かれた予言通りに世界が動いているという理由に以下の内容が指摘されます。
ユダヤがひとつとなるも70年にわたり混乱が続き、最終的には津波が国を襲い、戦いと破滅が待ち受ける。
「ユダヤがひとつとなる」は「イスラエルの独立宣言」と解釈出来ますし、「70年にわたり混乱が続き」は「イスラエル独立宣言の1948年から70年たっても混乱したまま」と読めますね。実際にイスラエル独立宣言のあと、アラブ諸国側との反発を受け、長いあいだ中東戦争で混乱することになります。独立宣言から70年後にあたる2018年にはイスラエルを「ユダヤ人の国家」と定義する法案を採択しました。しかし現在にいたるまでパレスチナとイスラエルの衝突は未だ解決のめどが立っておらず、混乱は続いています。このままいけば津波が襲い、もっと激しい戦争と破滅が待ち受けているのではないでしょうか。
まとめ
死海文書の予言については、戦いの書をはじめとする複数の文書に記された光の子と闇の子の戦いや終末論的な内容が注目を集めています。また「計画された世界」についても関心が高まっている現状です。しかし、死海文書の予言についての解釈や意味については諸説あり、明確な定説があるわけではありません。今後の研究により、より深い理解が進められることが期待されています。