キリスト教の布教を食い止めたのは豊臣秀吉？奴隷化を防いだ？
宗教を信仰しすぎるがあまり、行きすぎた行動については咎められるべきでしょう。しかし、単純に宗教を信仰しているだけならば問題ありません。キリスト教についても同様で、日本国内においてはそれほど悪いイメージがない宗教となります。
しかし、キリスト教が広まり始めたばかりの頃は、このようなイメージではなかったことをご存知でしょうか？キリスト教の布教には色々な問題があったと言われているのです。
本記事ではキリスト教の布教に関する裏側と、問題について解説いたします。
1.キリスト教は日本侵略のために布教された？
キリスト教が広まり始めたのは、フランシスコ=ザビエルの来日がきっかけです。最初はキリスト教を日本で広めることに対して、特別咎められているわけではありませんでした。
しかし、当時豊臣秀吉は追放令を出して、それがきっかけでイエズス会の教会や病院、学校が破壊されるという事態にまで発展しています。キリスト教の布教を認めていたにも関わらず、なぜ急にそのような対応を行ったのでしょうか。
それには日本侵略の意図を秀吉が汲み取ったからと言われています。キリスト教を国内で進行する人が増えれば、仏教に対する信仰は薄くなっていくでしょう。その結果、日本にとって大切な財産である神社や仏閣が破壊される可能性もあります。実際に神社や仏閣が破壊されるという事態が起こっていたと言われており、秀吉はそういった事態が悪化するのを危惧したと考えられるでしょう。
そして日本の領土がイエズス教徒に捧げられたのも問題と言われています。当時は日本人でありながらキリスト教を信仰し、大名として活躍をしているキリシタン大名と呼ばれる存在がいました。もちろん、信仰は自由なのでキリシタン大名の存在自体に問題があるわけではありません。
しかし、大名というのは土地を所有しています。その土地を勝手にイエズス会に寄進したことに対して、秀吉が怒りこのような追放令を出したと言われているのです。
実際にイエズス会に日本侵略の意図があったかどうかは定かではありません。しかし、状況を客観的に分析する限り、そのような意図は少なからずあったと言えるでしょう。なぜなら、単純に信仰を広めるだけならば、土地を得たり神社や仏閣を破壊したりする必要はないからです。
イエズス会を広めるための拠点が欲しかったという可能性もありますが、あくまでも仏教信仰が強い日本における活動。ある程度の活動のしづらさは許容するべきですし、そのような行動をすれば咎められるのは容易に想像がつくでしょう。当時のイエズス会の宣教師がどのような考えに基づいて行動をしていたかは定かではありませんが、日本侵略の意図も少なからずあったと思われます。
2.日本人の奴隷問題
キリスト教の布教の裏側で、日本人の奴隷問題は深刻でした。日本人の貧しい少年少女は、タダ同然の安さで西洋人に奴隷として売られており。九州ではそれが蔓延していることを秀吉は初めて知ったのです。
奴隷として連行されていたのは5万人にのぼると言われており、秀吉が怒りを覚えるのも無理はありません。土地が西洋人の手に渡ることに嫌悪感を抱いている秀吉が、奴隷問題に対して何も行動を起こさないわけもなく、追放令を始めとした行動を行ったと考えられるのです。
3.豊臣秀吉のイメージ
豊臣秀吉に対してそれほどよくないイメージを抱いている方は多いのではないでしょうか？キリシタンを弾圧した非道な君主と考えている方もいるかもしれません。しかし、裏にはこのような事情があると知ったのであれば、考えが変わる方も少なくないでしょう。秀吉がキリスト教徒を弾圧したのはむしろ必然とすらいえます。
歴史上の出来事を明確に明らかにすることはできません。しかし、考え方を変えることで新しい知見が得られる可能性は数多くあります。秀吉に限らず、歴史上で悪名高い人物についても、なぜそのような行動を行ったのかをしっかりと考えてみれば、正当性に気づける可能性も十分にあるでしょう。
ぜひ、歴史を色々な観点から考えてみるようにしてください。
まとめ
いかがだったでしょうか？最後にキリスト教の布教と豊臣秀吉についてまとめます。
1.キリスト教の布教の裏側に隠れている日本侵略の意図を汲み取って、豊臣秀吉が追放令を出して弾圧を行った
2.西洋人が日本人を奴隷として扱っていたのも問題とされており、それに怒りを覚えた秀吉が追放令を出したとも言われている
3.秀吉はキリシタンを弾圧した非道な君主と思われがちだが、裏には上記のような事情が隠れていた可能性がある
ぜひ、色々な観点から歴史上の出来事に目を向けてみてください。
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