5Gがもたらすのは便利で明るい未来…だけではない説|電磁波がウイルスを運ぶ?健康への影響は?
5G(第5世代無線通信システム)とは
5Gは、スマートフォンなどデジタルデバイスに必要不可欠な無線通信システムの最新版で、これまでの無線通信システムにより高性能な加工を施すことにより通信速度・範囲をグレードアップしたものです。
2019年12月、ソフトバンクが最初に導入したのを皮切りに、2020年にはドコモとauでも導入。現在では一般的に普及しており、スマートフォンを始めとしたデジタルデバイス利用者の多くが5Gを活用している現状です。
実は、スマートフォンなどが発する特有の電磁波が人体に与える影響については、これまでも懸念する声が出ていました。こと5Gにおいては電磁波のエネルギー(周波数)が極めて高く、より注意が必要だと言われています。
実際に報告された健康被害の例
5G電波塔の建つ近くに基地を構えていたアメリカの消防団。消防士たちの多くが、原因不明の頭痛・不眠・記憶障害・意識障害に悩まされていたそうです。電波塔のない地域iに移動したときには、それらの症状がすっかり消えたと言います。
懸念される健康被害の例
大人よりも、子どもの方がより多くのダメージを電磁波から受けるとされており、幼い頃から5Gデジタルデバイス漬けで育ってしまう環境においては脳腫瘍・白血病のリスクが2倍も高まるとの推測データが報告されました。
5G電波でウイルス感染が加速するという陰謀論
「5GがCOVID-19ウイルスを拡散している」というトンデモ論は、欧州から始まりアメリカへと拡大したと言われています。
そもそもなぜ、このような説が生まれたのでしょうか。
前述したとおり、5G(第5世代無線通信システム)が普及し始める前から、デジタルデバイスが与える健康への影響については懸念する声が上がっていました。
特に5Gにおいては、これまで自然界に存在したことのない周波数をつくるために、電磁波に特殊な加工を施して成立させていると言われています。この特殊な加工という部分に何が含まれているのか未知数であるために、人間の想像(善悪は問わず)が入り込む余地が生まれたのかも知れません。
コロナ禍におかれ、人々が不安や疑心暗鬼に呑まれているタイミングで「5Gは人体の免疫システムを低下させる電磁波を出している」と誰かが発言したのです。
それがSNSで拡散されていく中で「5Gは人体を病気にかかりやすくしている」となり、次第に「5Gの電磁波ががCOVID-19をバラまいている」となっていったのだと考えられます。
欧州やアメリカでは5Gの基地局が破壊される事態に
前述のアメリカの消防団の例にあるとおり、ヨーロッパの幾つかの国やアメリカでは、5Gの基地局付近で過ごしていた人々に健康被害が出ていたということです。
しかし5Gの普及は人々の訴えを退ける形で進められました。偶然の一致とでも言いましょうか、5Gの普及と同時期にCOVID-19は蔓延していくことになります。
その結果、2019年12月~2020年の春にかけてイギリスやオランダを含むヨーロッパの幾つかの国とアメリカで、基地局が放火・破壊されたり職員が脅迫電話を受けたりといった事態が相次いだということです。
さらに、5G機器にCOVID-19の文字が刻み込まれた画像(後にデマだと判明)が拡散されたことが波紋を呼び、オーストラリアやニュージーランドなどでも基地局が襲撃される事態となりました。
ベルギーは2023年9月に導入予定
こうした問題を受け、欧州ベルギーでは「国民はモルモットではない」として5Gの導入を先送りにしてきたのだそうです。国民の健康への責任感が感じられる案でしたが、近隣諸国の5G普及に伴い、2023年の9月に首都ブリュッセルに導入予定とのこと。
ウイルスが電波に乗ることはない…が?
結論として、COVID-19などのウイルスが5Gその他の電磁波・周波に乗って運ばれるということはありえないとされています。
事実として、世界保健機関(WHO)は公式にこの陰謀論を否定し「5Gモバイルネットワークが整備されていない、あるいは普及していない国や地域でもCOVID-19は蔓延している」という声明を出しているのです。