政府の陰謀

切り裂きジャックは王室関係者?野放しのシリアルキラーは政府・秘密組織の陰謀か

都井睦夫

通称「津山事件」の犯人。1938年の日本で、わずか2時間足らずのあいだに村人30人を日本刀や猟銃で殺害し、最後に自らを猟銃で撃ち抜いて自殺した人物です。

シリアルキラーは、通常その事件の残忍性から犯人が特定・逮捕されるケースが多いのですが、次に紹介するのは犯人が未だに逮捕されていないシリアルキラー事件となります。

イギリスの未解決事件「ジャック・ザ・リッパー」

イギリスで最も有名と言えるシリアルキラーが、切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)でしょう。事件内容の残忍さとは裏腹に、謎が多いことからある種の神秘性が生まれ、たびたび映画や文学作品の題材にされてきました。

切り裂きジャック事件

1888年8月末から9月半ばにかけて、イギリス・ロンドンのホワイトチャペル地区周辺で少なくとも5人以上の女性が殺害・解体された事件です。被害に遭ったのはいずれも若い娼婦で、発見時に喉や腹部を切り裂かれ内臓を取り出されていたことから「切り裂きジャック事件」と称されました。

事件が起こった当時、ロンドン警察やメディアには犯人と思われる人物からの手紙が届くなど大々的に報じられ話題になったのですが、これはまだ「シリアルキラー」という言葉が登場する前の出来事です。

事件から100年以上が経過した今でも真犯人は特定されていません。

事件当時のロンドン情勢について

19世紀半ば、イギリスにはアイルランド系移民が大量になだれ込み、短期間のあいだに人口が爆増していました。さらに1882年にユダヤ系難民が移住してからは、多民族・他宗教が混在するようになったのです。

特にもロンドン、イーストエンドを始めとする主要都市は過密状態にあり、事件の起こったホワイトチャペル地区周辺は80,000人にまで増えた人口により混沌と化していました。生活・労働環境は悪化し、街は荒れ、犯罪・暴行・賭博・アルコール依存は日常茶飯事という状況です。

とてもロンドン警察や政府の手に負えるような状況ではありませんでした。その中で起こったのが切り裂きジャック事件ですから、犯人が特定できなかったのも無理はないのかも知れません。

切り裂きジャック事件の容疑者に意外な人物?

センセーショナルな話題となった切り裂きジャック事件。容疑者は100人ほどもいると言われており、その内訳は芸術家・肉屋・理髪師・医師・貧困層と様々です。

時代背景を考えれば、もはや誰が犯人でもおかしくないという状況とも言えますが、容疑者リストの中に王室関係者がいたことから、陰謀説が飛び出すことになります。

 

犯人が捕まらないのは王室関係者だからなのでは?

切り裂きジャック事件の容疑者のひとり、クラレンス侯爵。ヴィクトリア女王の孫にあたり、暇さえあれば街に繰り出して女漁りを繰り返していたとされる人物です。

彼は肺炎で死亡したとされていますが、実際は性病で亡くなったのではないかとの疑惑もあります。もしクラレンス侯爵が切り裂きジャックだとすると、イギリス王室にとっては大損害を被る最悪の不祥事ですから、当然ながら揉み消そうとするでしょう。

あるいは、ジャック・ザ・リッパ―事件という「正体不明の恐怖」を通じて民衆を怯えさせ、統治しやすくする考えもあったのかも知れません。(※あくまでも推測です)

次のページを読む
1 2 3
Share: